11~20位|旅人を惹きつける「そこでしか見られない世界」

「日本橋旅人会が選ぶ『行きたい国・地域ランキング』2026年」、いよいよトップ20に入ります。11~20位を見ると、今回のランキングの特徴が一段とはっきりしてきました。

パキスタン、チベット自治区、ラダックといったヒマラヤ・中央アジア周辺の地域、タンザニアやソマリアといったアフリカ、南米のボリビア、地中海のチュニジア、コーカサスのジョージア、カリブ海のジャマイカ、そしてヨーロッパのポルトガル。共通しているのは、「その場所まで行かなければ体験できない風景や文化がある」ということでしょう。

20位 ポルトガル

20位はポルトガル。首都リスボンの坂道を走る路面電車、ポルトの歴史地区、ユーラシア大陸最西端のロカ岬など、比較的小さな国土に多くの見どころがあります。

かつて大航海時代に世界へ進出した歴史を持ち、日本とも16世紀から交流がありました。ヨーロッパの中でも大西洋を強く感じさせる国であり、スペインとはまた違った街並みや食文化を楽しめます。

19位 ジャマイカ

19位はカリブ海の島国ジャマイカ。美しい海や熱帯の自然に加え、世界的に知られるレゲエ音楽発祥の地でもあります。

リゾートだけでなく、キングストンの街や市場、音楽、人々の生活に触れてみることで、観光写真だけでは分からないジャマイカが見えてくるはずです。「カリブ海の島の日常を歩いてみたい」というのも、十分な旅の目的になるでしょう。

18位 ジョージア

18位はコーカサス地方のジョージア。ヨーロッパとアジアの間に位置し、独自の文字、ジョージア正教、古い教会や修道院など、独特の文化を持っています。

コーカサス山脈の雄大な景観も大きな魅力。さらに8000年ともいわれるワイン造りの歴史があり、壺を地中に埋めて醸造する伝統的な製法も残されています。自然、歴史、食、ワインと、旅の楽しみが詰まった国です。

17位 チュニジア

17位は北アフリカのチュニジア。地中海沿岸には白と青の美しい街シディ・ブ・サイドがあり、古代地中海世界で繁栄したカルタゴの遺跡も残されています。

南へ向かえば景色は大きく変わり、サハラ砂漠の世界へ。地中海文明とイスラム文化、そして砂漠を一度の旅で体験できることが、この国の魅力です。

16位 ボリビア

16位は南米のボリビア。世界最大級の塩原として知られるウユニ塩湖は、雨季に水が薄く張ると空を映す巨大な鏡のようになります。

しかし、ボリビアはウユニだけではありません。標高約3,600メートルの高地に広がるラパス、チチカカ湖、アンデスの山々、先住民文化など、南米の中でも強烈な個性を持っています。高地を移動しながらアンデスの生活文化に触れることも、この国を旅する大きな魅力でしょう。

15位 ソマリア

15位にはソマリアが入りました。「行きたい国ランキング」でソマリアが15位という結果は、一般的な旅行ランキングではまず見られないでしょう。

アフリカ東端に位置し、インド洋とアデン湾に面した長い海岸線を持つ国です。古くからアラビア半島やインド洋世界との交易に関わり、独自の文化を育んできました。一方、長年にわたり深刻な治安上の問題を抱えている地域でもあります。現在の旅行先として勧めるという意味ではなく、「いつか安全に訪れることができるなら、その土地と人々を自分の目で見てみたい」という旅人の関心を示す順位と考えるのがよいでしょう。

14位 タンザニア

14位は東アフリカのタンザニア。アフリカ最高峰キリマンジャロ、野生動物で知られるセレンゲティ、ンゴロンゴロ、そしてインド洋に浮かぶザンジバルなど、世界的に知られた自然と文化があります。

サバンナを旅して野生動物を見る旅と、スワヒリ文化の残るインド洋沿岸を歩く旅では、まったく違う体験ができます。「アフリカへ行くなら一度は」と思わせるだけの魅力を持つ国です。

13位 ラダック

13位はインド北部のラダック。ヒマラヤとカラコルムの山々に囲まれた高地で、チベット仏教文化を色濃く残す地域です。乾燥した荒々しい山岳風景の中に僧院や集落が点在し、インドの大都市とはまったく異なる世界が広がります。

「インドに行きたい」ではなく、**「ラダックに行きたい」**として単独で13位に入ったことからも、地域そのものへの強い関心がうかがえます。

12位 チベット自治区

12位はチベット自治区。世界の屋根とも呼ばれるチベット高原、ラサのポタラ宮、チベット仏教の寺院、そして標高数千メートルの土地に暮らす人々。地理的にも文化的にも非常に特徴のある地域です。

ヒマラヤの風景を見るだけでなく、「この高地で人々はどのように暮らし、どのような文化を築いてきたのか」を実際に感じてみたいことが、旅人を惹きつける大きな理由でしょう。

11位 パキスタン

トップ10まであと一歩、11位はパキスタンです。南部にはインダス文明最大級の都市遺跡モヘンジョ・ダロがあり、北部へ向かえばカラコルム山脈の巨大な山々が連なります。

特にフンザをはじめとする北部地域や、中国国境へ続くカラコルム・ハイウェイは、山岳旅行や陸路の旅を好む人にとって非常に魅力的な場所です。古代文明、イスラム文化、巨大都市、山岳地帯、国境を越える道――。一つの国の中にまったく異なる旅の世界があります。11位という高順位も、今回のランキングらしい結果の一つです。

トップ20に入ると「旅の目的地」がさらに具体的に

11~20位を振り返ると、単に国の知名度で選ばれているのではないことがよく分かります。

チベット自治区とラダックがそれぞれ独立してランクインし、パキスタンが11位。さらにソマリアが15位に入る一方、ポルトガルは20位でした。ここまで来ると、「どの国が有名か」ではなく、「そこで何を見たいのか」という旅人一人ひとりの興味が、順位に強く表れているように感じられます。

ヒマラヤを越える道を走ってみたい。チベット文化の世界を歩いてみたい。サバンナで野生動物を見たい。アンデスの高地へ行きたい。コーカサスの村を訪ねたい。いつの日か、現在は容易に訪れることのできない土地にも立ってみたい。

旅に求めるものが具体的になるほど、「行きたい場所」は必ずしも有名観光国とは一致しなくなるのかもしれません。そして、ランキングはいよいよトップ10へ。まず次ページでは6~10位を発表します。世界の各地から、いよいよ上位にふさわしい5つの国・地域が登場します。